
学生時代、コーヒーをドリップで入れて喜んでいた時期があった。豆を粉にひいてもらったものを買って、ドリップするだけで非常にチープに豊かな気分を味わえたものだ。ミルを買う金までは無かったということ。
バイト先が喫茶店を営んでいるところで帰りにお土産に、その場で豆を炒って挽いてもらい、1時間後にドリップしたときは本当に美味しかった。豆の粉が湯を入れるともくもくとふくらんでくるのが嬉しかったものだ。
バイクでのツーリングを始めるようになったときにはじめに遊びはじめたのが休憩時にお茶を飲むというものだ。そのときにガソリンストーブで湯を沸かし、インスタントコーヒーを飲んだ。自炊なのでストーブは必須なのだが、なぜドリップでなくてインスタントかというとやっぱり荷物の量を減らすためだ。しかし、だんだんと欲は大きくなり荷物は増えていく。紙フィルターやらコーヒー粉やドリップの道具を使うようになった。これが嵩張るので非効率なのだ。しかし、貧乏バイク旅行してる学生にはささやかな贅沢だった。
働くようになるとミルなどを使うようにもなった。これは先に父親がコーヒー好きでミルを買っていたのだ。しかし、このミルはそれこそ旅行用かなんかでコンパクトに折りたためるという代物であっというまに壊れてしまった。この次に買いたかったのは手動ミルである。これでいちいち豆を挽く。しかし、それって本人は嬉しいが他人が見たら退いてしまう情景だ。「えっ、それ毎日やってるの?たまにならわかるけど、、、」
自分でも「そこまでやるのはなあ」と思って手動ミルの購入までにはいたらなかった。
次第にインスタントコーヒーばっかりになり(ゴールドブレンド以外はまずくて飲めない)、次にコーヒーそのものを体が受け付けなくなった。まるでそれまで吸ってたタバコを体が受け付けないようなものだ。しばらく避けていたのだが、再びインスタントを飲むようになり、最近は再び豆を挽いてもらって毎日ドリップしている。通常はコーヒーメーカーだが、余裕のあるときはドリップだ。炒りたて挽きたてをドリップしてふわふわと泡立つとやっぱり幸せな気分になってくる。
ささやかにコーヒーを楽しめるほどには、少し気持ちの余裕がでてきているのかもしれないなあ。

コメント